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ギブばかりで燃え尽きてしまった人に向けて!自己犠牲から楽しみに変えるためのギブアンドテイクのポイント

1. はじめに

ギブばかりで燃え尽きてしまった経験はありませんか?自己犠牲的に行動することは素晴らしいことですが、時には自分自身を犠牲にしすぎることで心身の健康に悪影響を及ぼすこともあります。そこで本記事では、このような状況に陥ってしまった方々に向けて、ギブアンドテイクのポイントを紹介します。

アダム・グラント氏の「GIVE&TAKE 与える人こそ成功する時代(三笠書房)」を参考にしながら、自己犠牲から楽しみを見つけるためのアプローチを解説します。自己犠牲型のギバーから他者思考型のギバーへの転換によって、仕事で前向きになり、ストレスを解消や軽減する方法を探っていきましょう。

2. ギブばかりで燃え尽きてしまう人の特徴(自己犠牲型のギバー)

(1)ギバーに関する実験により明らかになったこと

ギブアンドテイクのメカニズムを理解するために行われた実験では、与える行動が他人を助けることにどのような影響を与えるのかを調査しました。実験では、参加者に何らかの与える行動をしてもらい、その結果を報告してもらうと同時に、なぜその行動を選んだのかについても尋ねました。

実験の結果、人助けそのものが行われる時の気力の高さや低さは影響を及ぼさないことが分かりました。つまり、気分が良い時でも悪い時でも人助けをすること自体には変わりがないのです。しかし、重要なのは「なぜ人助けをするのか」という理由でした。

実験に参加した人たちの中で、目的意識を持って楽しみながら人助けをする人は、他の参加者と比べて明らかに幸福度が高かったのです。彼らは、自己犠牲的に行動するのではなく、与えることを楽しみ、有意義に感じていました。

この実験結果からわかるのは、与えることによって気力が回復するのは義務感からではなく、楽しく有意義だと感じる場合に起こるということです。目的意識を持ち、他人の役に立とうとすることで、自律心や達成感が高まり、他者との結びつきも深まるため、元気を取り戻すのです。

自己犠牲型のギバーが燃え尽きてしまうのは、与えること自体が負担に感じられる場合や自分自身のニーズを無視してしまう場合が多いのです。

(2)ギブばかりで燃え尽きてしまう人は自己犠牲型のギバーになっていないか?

自己犠牲型のギバーは、助けを受けることが少ない傾向にあり、それが精神的な負担や身体的なダメージを引き起こすことが分かっています。仕事において、ギブばかりして疲れてしまう人は、自己犠牲型のギバーに陥っている可能性があります。

研究によれば、社会的な支援の不足が燃え尽きにつながることも明らかになっています。自己犠牲型のギバーは、他者の利益追求に重点を置き、自己の利益追求を軽視する傾向があります。自分自身のニーズを無視し、時間とエネルギーを捧げることで、自己犠牲を強いる結果、身を滅ぼすことになります。無償の奉仕は病的な行為であり、他人に過度に尽くすことで自分自身のニーズを犠牲にしてしまいます。このように、他者を助ける過程で自己犠牲型のギバーは自分自身を傷つける結果となるのです。

(3)自己犠牲型のギバーが燃え尽きてしまう理由

自己犠牲型のギバーが燃え尽きてしまう理由は、与えること自体よりも、その結果生じる影響が前向きに認められないことにあります。

実際、ギバーは与えることに時間やエネルギーを多く注ぎ込むことで燃え尽きてしまうのではなく、むしろ他者を助けられない時に燃え尽きてしまうのです。

自己犠牲型のギバーは、人々の困難な状況を解決しようと奮闘しますが、時には助けられる側が受け入れず、支援を拒むことがあります。この場合、ギバーは自分自身の無力さや努力が報われないと感じ、失望や無力感が生じます。彼らは他者を助けることで自己価値を感じる傾向がありますが、その努力が実を結ばないときには心身のエネルギーが消耗し、燃え尽きてしまうのです。

さらに、自己犠牲型のギバーは自己肯定感が低く、他人からの承認を求める傾向があります。そのため、自分の努力や奉仕が十分に評価されないと、不満やストレスが蓄積し、燃え尽きてしまうこともあります。

自己犠牲型のギバーが燃え尽きる理由は、与えること自体ではなく、与えた結果が前向きに評価されないことや支援が受け入れられないことにあります。次に紹介する「自己犠牲型から他者思考型のギバーへの転換」によって、ギブを楽しみに変えるポイントを探っていきましょう。自己犠牲からの解放は、より充実したギブアンドテイクのバランスを実現するために重要なステップです。

3. 自己犠牲型から他者思考型のギバーに変えてギブを楽しみに変えるためのギブアンドテイクのポイント

(1)他者思考型のギバーとは?

自己犠牲型のギバーとは対照的に、他者思考型のギバーは、自分自身の幸せを守ることの重要性を理解しています。彼らは、燃え尽きそうになった時に、周囲の人々に助けを求め、やる気や気力を維持するために必要なアドバイスや協力を仰ぐことができます。

他者思考型のギバーは、自己犠牲的な行動をすることによって自己満足感を追求するのではなく、他人を支援することが共に成長する機会であると認識しています。彼らは自分自身のニーズを無視せずに、バランスの取れたギブアンドテイクの関係を築こうとします。

具体的なポイントとしては、以下のような考え方や行動があります。

自分自身を大切にし、自己ケアを怠らないことが大切です。自分の健康や幸福感を保つことは、他人を助けるためにも重要です。

リソースの適切な管理を行うことが大切です。自分の時間やエネルギーを無理に使い果たすのではなく、効果的に分配することで効率的に支援できます。

助けを必要とする人々に対して適切な支援を提供するために、相手の意見やニーズを尊重し、適切な協力関係を築くことが大切です。

自分の限界を認め、助けを求めることをためらわないことが重要です。他人からのサポートを受けることで自身の力を回復し、持続的なギブを実現できます。

他者思考型のギバーは、バランスの取れたギブアンドテイクの関係を通じて、より充実した人生と持続的なエネルギーを得ることができます。次に、他者思考型のギバーが周囲からのサポートを上手に使い、自分に利益を見失わない方法を探っていきましょう。

(2)他者思考型のギバーは周囲からのサポートを上手に使う

他者思考型のギバーは、周囲からのサポートを上手に活用することが重要です。実際、他者からのサポートを受けることこそが、燃え尽きを防止する強力な特効薬となります。

他者思考型のギバーは、自分自身だけではなく、助けが必要な時に頼ることができるサポートネットワークを築いています。彼らは協力者や理解者との関係を構築し、必要なときに助けを求めることができるのです。このサポートネットワークが、他者思考のギバーが自己犠牲をしているギバーよりも燃え尽きにくい理由の一つとなります。

他者思考型のギバーは、まずは周囲の人々とのコミュニケーションを大切にし、助けを必要とするときに遠慮せず頼ることができるようにします。彼らは自分自身の限界を認め、自己犠牲的な行動を強いるのではなく、必要なサポートを得ることでエネルギーを回復させます。

また、他者思考型のギバーは、サポートネットワークを構築するだけでなく、自分自身が他人をサポートする機会も大切にします。相互の支援関係を築くことで、助けを受けるだけでなく与える喜びを味わい、心の充実感を得ることができます。

他者思考型のギバーは、周囲からのサポートを上手に使いながら、自分自身も助けを必要とすることを受け入れることで、よりバランスの取れたギブアンドテイクの関係を築くことができます。

関連記事:ギブアンドテイクができない人は成功しない!仕事ができる人の特徴

(3)他者思考型のギバーはギブしながらも自分に利益を見失わない

他者思考型のギバーは、多くを与えることに重点を置いていても、自分自身の利益を見失うことはありません。彼らは「いつ、どこで、どのように、誰に与えるのか」という観点を持ち、自己の利益も考慮しながら行動します。他者への関心と自己への関心を結びつけることで、燃え尽きやバーンアウトを回避し、成功に近づくことができるのです。

他者思考型のギバーは、ギブアンドテイクのバランスを保つことを重視します。彼らは自己犠牲的に行動することではなく、相手に最大限の支援を提供しつつ、自身も必要なケアや休息を大切にします。自己のニーズや目標を無視せず、他人のために時間やエネルギーを使う一方で、自己の成長や幸福感も追求します。

さらに、他者思考型のギバーは自己効力感を持っています。彼らは自分の能力や価値を認識し、他人を支援することで自己成長や達成感を得ます。他者に与えることで得られる喜びや充実感を感じながらも、自己の利益や目標を追求することを忘れません。

他者思考型のギバーは、バランスの取れたギブアンドテイクの関係を築くことで、持続的なエネルギーと喜びを得ることができます。彼らは自己犠牲による燃え尽きや自己否定を避け、自身の幸福と他者の幸福を両立させることで、より充実した人生を築き上げるのです。

他者思考型のギバーは、ギブしながらも自己の利益を見失わず、バランスの取れたギブアンドテイクの関係を実現します。

マッチャー、ギバー、テイカー、それぞれの特徴や仕事で成功するタイプについて以下の記事に解説していますので参考にしてください。

関連記事:ギブアンドテイク:仕事で成功するのはどっちのタイプ?成功するために目指すこと

4. まとめ

自己犠牲型のギバーが燃え尽きてしまう理由や特徴を探り、自己犠牲から他者思考型のギバーに変えるためのポイントを紹介しました。

ギブに関する実験から明らかになったことは、人助けそのものが幸福感をもたらすのではなく、目的意識を持って楽しむことが重要であることです。自己犠牲型のギバーは他者の利益を追求する一方で、自己のニーズを見失い、燃え尽きてしまう傾向があります。

そこで、他者思考型のギバーに変えるためのポイントを紹介しました。他者思考型のギバーは周囲からのサポートを上手に使い、助けを必要とする時には頼ることができます。また、ギブしながらも自己の利益を見失わず、バランスの取れたギブアンドテイクの関係を築くことが重要です。

他者思考型のギバーは、自己犠牲ではなく相互の支援関係を築き、自己の幸福と他者の幸福を両立させることで、燃え尽きやバーンアウトを回避し、持続的なエネルギーと喜びを得ることができます。

アダム・グラント氏の「GIVE&TAKE 与える人こそ成功する時代」に触発されたこの記事は、ギブアンドテイクのバランスを理解し、自己犠牲から楽しみを見出すためのヒントを提供しています。自己犠牲型から他者思考型のギバーへの転換は、仕事や人間関係で前向きになり、ストレスを解消・軽減するための重要なステップです。

仕事の意識・モチベーションについてもっと知りたい方・学びたい方はこちら:仕事の意識・モチベーションを高める本のお薦め

5. おすすめ書籍「GIVE&TAKE 与える人こそ成功する時代(三笠書房)」

アダム・グラント氏の「GIVE&TAKE 与える人こそ成功する時代」は、自己犠牲型のギバーが直面する課題と、他者思考型のギバーに変わるための道筋を示しています。本書では、与えることと受け取ることのバランスを重視し、相互の関係性や組織の成果において、与えることがいかに重要であるかを論じています。他者思考型のギバーが成功を収めるためには、自己のニーズや目標を見失わず、他者との協力やサポートを上手に活用することが大切です。本書は、ギブアンドテイクの原則に基づき、自己犠牲から楽しみを見出すためのヒントを提供しています。

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