自己管理能力

アンガーマネジメントで仕事が楽しくなる! すぐにできる6つのトレーニング

1. はじめに

仕事をしていてイライラしたりストレスが溜まっていて、上司や同僚、部下、顧客などのある発言や行動に対して、ふとした瞬間に怒りが爆発してしまった経験はありませんか?爆発まではしなくても、怒りを他の職員にぶつけてしまうという経験はありませんか?多くの方は、怒ってしまったあとに、後悔したり、自暴自棄になったりしているのではないでしょうか。その負の影響が大きいと、職場内の人間関係が崩れてしまったり、チームや組織を崩壊させてしまう場合もあります。そうなると、怒ってしまった本人だけでなく、本人を含む関係者全員が不幸になっていまいます。でも、多くの方は、後で振り返ったり冷静になってみると、怒ってしまった自分が正しいと再認識するというよりも、後悔している方の方が多いのではないでしょうか。実は、怒ってしまったことへの後悔を繰り返している方は、幸いなことに改善できる可能性があります。怒りの性質を理解し、アンガーマネジメントについて知り、改善に向けて行動することができるからです。

筆者自身は、どちらかというと切り替えが早く前向きな性格なので、言うことは言いますが、その後は、ストレスをため込んだり引きずったりするようなタイプではありませんし、相手に対しても同じでリセットされてしまいます。しかし、かつて(5年くらい前まで)は、100点を目指すことが当たり前、競合他社にも職場内でも1位であり勝ち続け模範であることが当たり前、できないなんて努力が足りない、という感じでとても厳しかったので、すべきことができなかったりすると、なぜできないのか、なぜ理解できないのかと怒ってしまい、職場環境を悪化させていて、それと同時に何度も後悔も繰り返してきました。エニアグラムではタイプ1(改革する人)であり、ここに示す通りでした。しかし、これを続けていてもチームや組織の生産性や職場環境は一向に上昇せずに限界を感じていました。そこで、このままではいけないと、マネジメントやアンガーマネジメントについて勉強し、できることから着実に実践しています。まだまだ合格点からは程遠く発展途上ですが、アンガーマネジメントについては、少しずつ怒りをコントロールができるようになってきて効果が出始めていると実感しています。

本記事では、日本アンガーマネジメント協会の安藤俊介さんの「アンガーマネジメント入門(朝日文庫)」と小林浩志さんの「パワハラ防止のためのアンガーマネジメント入門 怒り、イライラのコントロールで、職場は変わる!成果が上がる!(東洋経済新聞社)」の2つの本を参考にして、筆者が理解・解釈する範囲で内容をお伝えしつつ、筆者が実践している経験も踏まえて、アンガーマネジメントで仕事が楽しくなり、すぐにできる行動について解説していきたいと思います。

2. 結論

怒りにふりまわされる理由を理解する:あなたは「誰か」や「何か」によって怒らされているのではなくて、あたなを怒らせているのはあなた自身であり、「自ら選択している」ということを理解することが重要です。「怒りのまま行動する」と、自分自身を含めて、同僚も組織も会社も社会にとってもメリットが一つもないことを認識する必要があります。怒りそのものをゼロにしたり、取り除くことはできませんが、怒りを目標達成に生かすことやあなた自身の人生にプラスの方向にベクトルを変えていくことが重要であり、これがアンガーマネジメントになります。

怒りの性質を理解する:「怒る」と「叱る」は本質的に違います。「自分の損得のために」するのが「怒る」のであり、「相手の成長のために」するのが「叱る」という行為であり、「怒る」のは自分本位型の行動です。「怒り」の感情が生まれて行動に移すまでにはいくつかの段階を踏んでおり、怒りの発生から行動に移るまでの衝動をコントロールできるチャンスがあります。

アンガーマネジメントについて知る:アンガーマネジメントは、「怒り」の感情をコントロールすることで、健全な人間関係を作り上げていくための技術です。具体的に取り組んでいくこととは、「行動の修正」と「認識の修正」の2つになります。

アンガーマネジメントは心のコップ:いろいろな出来事により、心のコップは段階的に怒りという水が満たされていきます。その水が満杯になりあふれた時が怒り爆発です。怒りをマネジメントする方法としては、心のコップの容量を大きくする(行動の修正)か、心のコップから怒り(水)が溢れないように水抜きをする(認識の修正)かになります。

すぐにできる7つの行動から始める:アンガーマネジメントのテクニックはたくさんありますが、大事なことは、怒りの感情と上手につきあい、何よりも自分自身が仕事で楽しく働けることです。比較的すぐにできる行動は、①考えることをやめる・遅らせる・呪文を唱える、②肯定的な聞き方・話し方(相手も自分も肯定する)、③なりたい自分を考える、④怒りを見える化し客観的に見る、⑤コアビリーフの歪みを書き換える(3コラムテクニック)、⑥「怒り」ではなく「叱る」基準を決めて守ることです。

3. 解説

(1)なぜ人は怒りにふりまわされるのか?

「怒る」のを選んでいるのはあなた自身

ふとしたことで怒ってしまうことがあります。職場の例では、あなたの部下や後輩が、業務で分からないことについて質問に来るとします。もし、あなた自身が仕事で新規の顧客から受注できた後で達成感に満ち溢れているときに、部下や後輩が質問に来ていたら、あなたはきっと機嫌よく教えるのではないでしょうか?それでは、あなた自身が、当日の12時の締め切りの提出資料があり午前中いっぱいをかけて完成させる計画(予定)であったとします。その日は、朝から通勤電車の人身事故で電車に箱詰めになり出社が1時間遅れ、出社したら上司から理不尽な急ぎの仕事を依頼されて30分対応し、その後に、やっと対応できる状況になり焦って仕事に取り組もうとしたその瞬間に、そんな状況を全く知らない部下や後輩が質問に来たら、あなたはどのように反応しますか?「今は12時の期限でまとめて提出する急ぎの対応があって対応が遅れてしまっているので、13時以降に話を聞けるからそれまで待てますか?」、または「(少し話を聞いて)今は自分が時間が取れないけと、急ぐならBさんに聞くと詳しいから聞いてみてもらえますか?急がずに待てるなら13時以降なら聞けますよ。」というような模範的な回答ができますか?それとも「なんでこんな忙しい時に質問に来るんだ!」「状況を見ればわかるだろ!」「空気を読め!」「後にしてくれ!」「そんなことくらい自分で考えろ!」なんて、程度に差はあると思いますが、このような言葉で回答するわけがない、と自信をもって言えますか?

相手の行動は同じなのに、違う反応を選択しているのはあたな自身です。同じ出来事でも、置かれている状況が違えば、人は全く違う感情を持つということです。あなたは、「誰か」や「何か」によって怒らされているのではなくて、あたなを怒らせているのはあなた自身であり、「自ら選択している」ということを理解することが重要です。ここを理解するだけでも、物事を客観的にとらえることができるようになります。

怒りをプラスの方向に生かす視点を持つ

怒りの感情を持つこと以上に、怒りのままに行動してしまうことが問題です。冷静に考えてみると分かります。仕事のチームメンバー間で、怒りがぶつかり合い衝突してトラブルとなり、とても話ができる状況ではなくなったとします。ぶつかり合った職員はお互いにイライラしたまま、他の職員はその職員に気を使いながら、いつ飛び火してこないか心配した状況で仕事に取り組むことになります。こんな心理的安全性の低い職場で仕事をした場合のメリットについて考えてみましょう。怒ってしまった当事者は、イライラして怒りに支配されて仕事をするので気分も悪く、職場内では他の職員からの評判を下げ孤立し、顧客の信頼も失うかもしれず、本人に何一つ良いことがなく、一番つらいのです。またその衝突が、立場の上の職員から下の職員に向けて怒った結果の衝突であれば、ハラスメントになります。他の職員は、腫物に触るように気を使い、必要最低限の情報交換やコミュニケーションしかなくなり、落ち着かない状況で仕事をしなければなりません。チームとして考えてみても、そんなコミュニケーションが取りづらい場で、議論してよい成果を作ることができる訳がありません。スケールを大きくして組織として考えても、生産性の低いチームがあったらよいことはなく、会社や社会への貢献度も下がることになるでしょう。どの観点からみても、メリットは一つもないということを認識する必要があります。

「怒りのままに行動」することにメリットはありませんが、「怒り」そのものは、物事を達成するための大きな力になったり、プラスのエネルギーに変えることができるため、メリットがあります。仕事では、筆者のアプローチを例にとると、上司や顧客から明らかに理不尽な要求があったとしたら、その場では意見は言いますが「怒りのままに行動」はしません。ただし、自分自身が本質的に正しいと思うこと、職員や会社、社会(事業やエンドユーザー)に貢献できると信じることについては、少し先になったとしても、自分自身が成果を上げてそれができる立場や機会を勝ち取り、行動して実現させており、「怒り」はそのための原動力にしています。筆者が、怒りをプラスのエネルギーに変える際に目指しているものは「負けても勝つ」です。ちょっと怖く思われてしまうかもしれませんが、今の負け(失敗や怒り)は未来の勝ち(成功や安心)に必要なロスだったりプロセスだと思っています。

怒りそのものをゼロにしたり、取り除くことはできないので、怒りを目標達成に生かすことやあなた自身の人生にプラスの方向にベクトルを変えていくことが重要であり、これがアンガーマネジメントになります。

2006年のワールドカップ・ドイツ大会のイタリア対フランスの決勝戦での世界的な大スターのジダン選手の頭突きは「怒りのままに行動」してしまったた典型的な例です。相手選手から相当な侮辱発言(トラッシュトーク)があったとニュースでも取り上げられていてましたが、フランス国を優勝に導くことが目的なので、その目的に対して事実だけを端的に見ると「ジダン選手は反射的に怒りのままに行動してしまったことで退場」「フランスは優勝ではなく準優勝」となってしまいました。一流アスリートも、テニス界の最高のプレイヤーのひとりであるフェデラー選手人生の節目ごとにアンガーマネジメントを有効活用し、成功への階段を徐々に上っていったエピソードも複数紹介されている。怒りで、ジダン選手が失ったもの、フェデラーが得たものについては、小林浩志さんが東洋経済ONLINEにも記事を投稿しており参照されたい。

職場でストレスや不機嫌が増えている

今の職場は働きやすい環境ですか?極端な成果主義の導入により職員が競争相手になったり、世代間などで価値観のギャップが大きく働きにくかったり(残業必要論や根性論、価値観の押し付け、差別などの理解不能で理不尽なことが未だに多く残る)、ノルマが高すぎて時間的な余裕がない、努力して成果を上げても評価されないし給料も上がらない、今の職場では将来が安心できない、職場や顧客からの理不尽な要求、ハラスメントなど、多くのストレスを抱えて仕事をしているという現状があります。社会が目まぐるしく変化する現在では、考えや価値観が多様化した上に、更に、その考えや価値観をお互いにすり合わせる場面が多くなったという状況に置かれています。当然、価値観の違いで衝突したりトラブルとなる機会が増えてしまいます。

(2)怒りの性質を理解する

怒ると叱るの違いを理解する

「怒る」と「叱る」は似ているようで、本質的なことが大きく違いますので前提条件を記しておきます。この違いのポイントは、「自分の損得のために」するのが「怒る」のであり、「相手の成長のために」するのが「叱る」という行為になります。怒るのは、自分が困りたくないから、不利益を被りたくないからという理由の自分本位型のコミュニケーションです。その一方で、叱るは、改善提案や相手の成長を促すことが目的の相手本位型のコミュニケーションです。

怒りの発生メカニズム

人は身体の反射反応のように、自動的には怒りません。怒りの感情が生まれて行動に移すまでには、いくつかの段階を踏んでいます。そのため、その段階のプロセスの中で、怒りの発生から行動に移るまでの衝動をコントロールできるチャンスがあります。ここでは4段階に分けて解説します。

第1段階「出来事に遭遇」:何らかの出来事があったり、誰かの言動を見たり、聞いたりした。

第2段階「出来事の意味づけ」:その出来事、誰かの言動などが、どいういうことなのかを考え、意味づけをした。

第3段階「怒りの発生」:意味づけをした結果、自分が許せないのものであったため、怒りの感情が生まれた。

第4段階「発生した怒りを行動に移す」:怒りの感情に支配され、怒りを晴らすため、怒りのまま行動した。 

このプロセスを見ると、「意味づけ」によりで怒るか怒らないかが決まっており、この怒りの発生の可否を左右する価値判断の基準がコアビリーフになります。

あなたのコアビリーフがあたな自身を不愉快にし怒らせる

私たちが普段信じているもの、価値判断の基準としているものがアンガーマネジメントではコアビリーフ(Core Belief:核となる信念)と呼ばれています。「べき論」に似ていて、理想や実現しなければならないことを強く主張する論調であり「そうするべき」や「こうあるべき」という言い回しからこのように呼ばれています。コアビリーフは、日本アンガーマネジメント協会では「価値観の辞書」と説明していて、怒るか怒らないかの自己の判断基準になりえます。コアビリーフは、人それぞれであり、他人の理屈や一般常識は通用しません。アンガーマネジメントをしていく上では、自分がどのようなコアビリーフをもっているのかを知ることが重要となり、コアビリーフに障害となる場合は、それを障害でなくなるように修正していくことになります。

(3)アンガーマネジメントについて知る

アンガーマネジメントは、「怒り」の感情をコントロールすることで、健全な人間関係を作り上げていくための技術です。具体的に取り組んでいくこととは、「行動の修正」と「認識の修正」の2つになります。この2つはセットであり、どちらかだけを修正するということではなく、どちらから始めないといけないということでもなく、個々のケースに合わせて両方を組み合わせながらアンガーマネジメントを行います。

行動の修正

「行動の修正」とは、「怒りのままに行動しない」ということです。「怒り」によって周りの人と良好な人間関係を築くことを邪魔する行動をとってしまうのであれば直していきましょう、ということです。

認識の修正

「認識の修正」とは、「頭の中を怒りにくい仕組みにする」ということです。もし、あなたのコアビリーフがあたな自身や周りの人にとってマイナスとなる怒りを生み出してしまうのであれば、それを直しましょうという考えて方です。アンガーマネジメントでは、たいていの場合、「認識に問題があるから問題のある行動をする」というのが定説であり、コアビリーフの歪みになります。このコアビリーフの歪みを知り、少しずつ周りの人や自分を苦しめないように変えていくためのものです。

アンガーマネジメントは心のコップのイメージで:心のコップに怒り(水)がたまる

心のコップをイメージできます。いろいろな出来事により、心のコップは段階的に怒りという水が満たされていきます。その水が満杯になりあふれた時が怒り爆発です。怒りをマネジメントする方法としては、心のコップの容量を大きくするか、心のコップから怒り(水)が溢れないように水抜きをするかになります。この水抜きをするのが、行動の修正(対処術)であり、心のコップの容量を大きくするのが認識の修正(体質改善)になっているのだと思っています。書籍の中から、これらの紐づけが明確に記されていないので、あくまで筆者がとらえた意味付けになります。個人的には、1回で心のコップにたまる怒り(水)の量を減らすことも認識の修正になるのではないかと思います。

(4)すぐにできる6つの行動(トレーニング)

アンガーマネジメントのテクニックはたくさんありますが、大事なことは、怒りの感情と上手につきあい、何よりも自分自身が仕事で楽しく働けることです。そのために、比較的すぐにできる6つの行動(トレーニング)について解説していきます。

①考えることをやめる・遅らせる・呪文を唱える

ストップシンキング:イラっとしたときは、全ての思考を止めて、頭の中に空白を作りましょう。怒りの感情のもとになる出来事の意味づけや思考そのものを停止するというものです。ポイントは、相手が言ったことの理由や原因、この先の対応を含めて一切のことを考えないことです。これで反射的に怒りのままに行動することを抑制できます。

ディレイテクニック:一定時間、違うところに意識をもっていくことで怒りに対する反応を遅らせ、衝動的な行動に至りづらくさせることができます。6秒間でも反応を遅らせるということが効果的です。

関連記事:ストレスを解消する方法!頭の中で6秒間の余白を作るアンガーマネジメント術

筆者は、「怒り」の感情が入りそうな性質の事案については、メールなどを受け取っても、即返答をしないようにしています。回答を書き出してもすぐには送信しないで一晩寝かせます。それで朝に見直して修正した上で回答するようにしています。一晩寝かせて冷静になってから回答書面(草案)を見てみると、かなり「怒り」の感情が含まれていることに気づきます(そのまま送付したら危険すぎます)。そこで客観的な視点で感情を抜き、今言及する必要がある本質的かつ客観的な優先事項のみの回答に絞りこみ、今後に先延ばしてもよいことは削除して回答しています。実際に送付する回答は、当初の草案の20%くらいまで絞りこまれていることもあり、「怒り」感情のままに回答することがいかに危険なのかが分かるとともに、ディレイテクニックがいかに有効なのかが分かります。

コーピングマントラ(魔法の呪文):イラっときて怒りが爆発しそうになったり、マイナスの言動をしてしまいそうなときに、自分の中で言葉(呪文)を唱えることで、自分を落ち着かせる方法です。書籍で紹介されているものは「大丈夫、何とかなるさ」、「1か月後には忘れてる」、「相手も悪気がある訳ではない」、「悪く受け取るのはやめよう。聞いてみなければ相手だってノーと言える」、「怒っても何の得にもならない」などが挙げられています。

魔法の呪文についても、筆者自身はよく使います。目上の人であれば、口に出したら相手には極めて失礼かもしませんが(ここだけの話です)、「所詮この程度の人だから仕方がないか」、「かわいそうな人だからこれ以上責めても仕方がないのでそのままにしておこう」、「部下や後輩は誰もついてこないから私くらいは相手をしてあげよう」などになります(ヒドイ!)。同僚や後輩であれば、「まだ経験が浅いから今はしかたがない」、「今はそうでも、きっとこの先には分かるようになるだろう」、「これは人材育成の長期投資だ!」、「人はみんなこの道を通って成長するのだ!」という感じで、同僚や後輩に対しては「愛」のある呪文になります。呪文というよりは応援や長期的な人的投資になるのかもしれないです。

②肯定的な聞き方・話し方(相手も自分も肯定する)

「自己肯定感」という状態があり、「自分は大切な存在だ」、「生きる意味があるのだ」という気持ちをさしています。自身を肯定することで「自信を持つ感覚」が育つことがあります。ここで、自分自身のことだけではなく、相手のことも大切にするコミュニケーションをとることが重要です。でもこれは、どちからが妥協するということではなく、お互いの歩み寄りでそれぞれの納得に近づくプロセスを踏ことになります。アンガーマネジメントは、「解決思考」で取り組むことが大切であり、お互いや職場全体の状況を最適化させるために取り組むことが重要です。

③なりたい自分を考える

怒りをコントロールして何になりたいのかを考えることが重要です。怒りの原因を追究しても前向きになれないし解決しないため、よいことはありません。でも、怒りをコントロールして何を目指すのかということが考えることはとても重要です。例えば、「上司と上手に関係を作っていきたい」、「仕事の同僚と楽しく仕事をしたい」などが考えられます。そして、今できることは何なのかを考えてみると行動に移しやすいです。ただ、あまり大きな目標を持つと、実現できなかった時に怒りがでてきたり、相手の責任にしてしまうかもしれません。怒りという感情は、他人ではなく、あたなが行動することを選択しています。自分の感情は、自分自身の責任であることを自覚することが重要です。そのため、例えば、「挨拶をする」とか「感謝の気持ちを伝える」などと実現可能な行動につながることを考えることが重要であり、筆者はこの点は重視しています。

関連記事:上司・部下にも効果的!アンガーマネジメントで仕事の怒りやストレスを軽減するテクニック

④怒りを見える化し客観的に見る

「認識の修正」を行う際は、自分自身の怒りを客観視して、よく知ることから始まります。ここでは、「怒りのレベル分け」と「ストレス分類」について紹介します。

怒りのレベル分け:怒りには、強さの段階があり、これが理解でき、怒りの段階を自分で測れるなるようになると、目の前の怒りに対処しやすくなります。怒りを10の段階にレベル分けします。自分の今の怒りがどの程度の強さのものか、その対処法を知っていれば、怒りを感じても焦らず冷静に対処できるようになります。

ストレス分類:ストレスを、2軸で4つに分類したマトリクスで、怒りを分類するというものです。1軸には重要性であり、「重要なこと」か「重要ではないこと」を分類します。2軸には自分で変えられるか否かであり「自分で変えられること」と「自分では変えられないこと」になります。その分類をした上で、「重要なこと」で「自分で変えられること」に対して力を注ぐと、確実に不安を減らすことができ、心のコップから水を抜けるのでイラっとしにくくなっていきます。

⑤コアビリーフの歪みを書き換える(3コラムテクニック)

これは、怒りの原因となるコアビリーフの歪みを見つけて、修正していくための改善テクニックです。価値観やこだわりとなるコアビリーフとじっくりと向かい合い、歪みがあれば修正してしていくことが重要です。これは、自身の性格を否定する必要はなく、野球でいえば打撃フォームを修正していくような改善になります。やり方は、「怒った出来事」を3つの段階別に確認して、コアビリーフを修正するという作業です。

1段目:アンガーログの中から、ひとつの出来事に対して、感情をストレートに書きます。

2段目:ストレートに感じたことから導き出させる、自分のコアビリーフと、コアブリーフにゆがみがあれば、どのようなゆがみがあるのかを書きます。

3段目:コアビリーフのゆがみをどのように修正したら(書き換えたら)自分にとっても、周囲にとっても幸せな状況になるのかを書きます。

⑥「怒り」ではなく「叱る」基準を決めて守る

チームのリーダーや組織の上司の立場であれば、「怒り」ではなく、「叱る」基準を決めて守ることが効果的です。怒りと叱るを、感情を入れずに分離して対応することになります。気分や情緒で部下に怒りをぶつなけないようにするため、普段から、部下を「叱ってもいいこと(≒怒りを表してもいいこと)」と、「叱ってはいけないこと(怒りを表さなくてもいいこと)」の基準を決めておき、部下の行動を客観的な基準に対して反応するようにしましょう。

基準A:怒りを表す必要がないこと(叱ってはいけないこと)

基準B:イラっとするが、言葉に出すまではしないこと(癪に触るが、反応しないというレベル)

基準C:必要な叱責であり注意しても後悔しない(叱ってもいいこと)

アンガーマネジメントによる体質改善が進めば、基準Aと基準Bの許容度が大きくなります。性格は後天的に獲得することも可能であり、理想とする上司や先輩などキャラクターを模倣し演じることで、自身が目指す正確に近づいていくための体質改善テクニックとして効果的です。

筆者自身が心がけていることは、人の成長には「失敗」は必要ということが大前提にあります。組織の仲間が大けがにならないようにマネジメントをしながらも、職員が主体性をもって前向きに自由に行動して、その中で失敗と学びを繰り返していけるような基盤環境を整備することを重視しています。また、良い職場環境を築くためには、挨拶をしたり、感謝したり、助け合ったり、報・連・相をしたりという基本的なことが重要であると考えています。そのため、筆者の基準Cは「主体性をもって取り組まないこと」、「職場環境に負の影響を与える行動をすること」、「改善するための具体的な行動をしないこと」などとしています。基準Bは、「1度目(2度目まで)の失敗」になるのかもしれませんが、正直、あまりないかもしれないです。

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