リーダーシップ

リーダシップは部下の長所を伸ばすことが効果的!部下育成における褒め方の重要性と具体的な方法

1. はじめに

部下の育成は、先輩や上司にとって重要な責務ですが、その難しさに悩む方も多いことでしょう。リーダーは、部下が成長するためには、適切な褒め方をする必要があります。しかし、褒めること自体が大切なのではなく、どのような行動を褒めるかが肝心なのです。

本記事では、行動分析学マネジメントの専門家である舞田竜宣氏と杉山尚子氏の著書「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」を参考に、部下の育成における上手な褒め方と無意味な褒め方の違いについて解説します。上司や先輩の方々が、部下の成長を促すために有効なアプローチを見つける手助けとなることを願っています。

2. リーダーシップを発揮し、部下の長所に焦点をあてた育成のための上手な褒め方と具体的な行動

(1)無意味な褒め方

部下が成長しなくて悩んでいる真面目なあなたは、管理者としての素質がないのではないかと悩んでしまっているかもしれません。しかし、褒めるということは単に相手を漠然と褒めるだけではなく、具体的な対象(ターゲット)を明確にする必要があります。

「頑張り」「努力」「よい仕事をする」といった抽象的な言葉で褒める人は多いですが、これでは相手の行動を強化する効果は得られません。褒めるべきは具体的な行動です。たとえば、部下がプロジェクトの締切を守り、クライアントから絶賛されたなら、その具体的な行動を褒めるのです。

無意味な褒め方では、部下に具体的な成長の手がかりを与えることができません。単なる形式的な褒め言葉ではなく、部下の行動を的確に評価し、それを褒めることが重要です。次に、具体的な上手な褒め方について見ていきましょう。

(2)上手な褒め方とは行動を褒めることである

褒めるとは、相手の望ましい行動を強化し、成長を促すことにつなげることが重要です。具体的な行動に対して褒めることで、相手に具体的なフィードバックを与えることができます。

例えば、部下がプレゼンテーションで素晴らしい提案を行った場合、単に「良い仕事をしたね」と褒めるのではなく、具体的な行動を指摘して褒めましょう。「あなたのプレゼンテーションでは、情報の整理が非常に明確であり、説得力がありました。また、グラフィックスの使い方も効果的でした」と具体的に評価することで、相手は自分の優れた行動を再認識し、将来のプレゼンテーションにも繋げることができます。

上手な褒め方は、抽象的な言葉ではなく、具体的な行動にフォーカスし、その行動の良さを的確に伝えることです。部下が成長するためには、自分の行動がどのような結果をもたらしたのかを理解し、改善するための手がかりを得ることが重要です。

(3)褒めることは行動を強化するために行うものである

褒めることの目的は、相手の行動を強化し、望ましい結果を促すことです。ただし、単に誉め言葉や励ましの言葉をかけるだけでは行動の強化とは言えません。褒めるタイミングも重要です。相手が何らかの行動をした直後に、その行動を褒めたり励ましたりすることが必要です。このようなタイミングで褒めることで、相手は自分の行動と褒められることとの因果関係を認識し、同様の行動を継続する意欲が高まります。

部下の成長を促すためには、行動を変える必要があります。褒めることは、人を変えるのではなく、行動を変えることを目指して行われます。行動を変えるためには、褒められることを通じて得られる利益や成果を認識する必要があります。褒めることは、部下が望む結果に向かって行動することを促し、成長とパフォーマンスの向上を支援する手段となります。

(4)部下のどの行動を褒めるのかを見極める

上司が部下を褒める際には、どの行動を褒めるかを見極めることが重要です。具体的な行動に焦点を当てることで、部下の成果を的確に評価し、褒めることができます。

例えば、「課題を克服したこと」を褒める場合、それをさらに具体的に掘り下げると、「分からなくて困っている他の職員を助けて仕事を前に進めたこと」「顧客の悩みを丁寧に聞いて紳士的に対応し、悩みを解決したこと」「明るい職場になるように積極的に挨拶したこと」などが該当します。これらの行動は、課題を克服する上で重要な要素であり、具体的な成果をもたらしています。

具体的な成果を褒めることで、相手は自身の行動が上司に喜ばれ、評価されることを認識します。その結果、ますますそのような行動を行おうとする意欲が高まり、行動分析学的に言えば、その行動が強化されるという好循環が生まれます。

また、部下の行動を見極めるためには、コミュニケーションを大切にすることも重要です。部下との定期的なフィードバックや面談を通じて、彼らの成果や努力を把握し、具体的な行動を褒める機会を見つけましょう。また、部下の目標や関心事を把握し、それに関連する行動を褒めることも効果的です。

部下の成長を促すためには、どの行動を褒めるべきかを見極め、具体的な成果を褒めることが重要です。

3. まとめ

部下の育成において、上手な褒め方と具体的な行動を見極めることは非常に重要です。無意味な褒め方ではなく、相手の望ましい行動を明確に褒めることが求められます。褒めることは、行動を強化し、継続させるために行われるものであり、その目的を意識することが大切です。

具体的な行動を褒めることで、部下は自身の成果が評価されることを実感し、更なる成長を促す動機付けとなります。課題を克服した行動や、他の人をサポートする行動など、具体的な成果に焦点を当てることで、行動の強化が生じ、良好な循環が生まれます。

部下の育成は組織の成果に大きく関わる重要な要素です。上手な褒め方と具体的な行動の見極めを通じて、部下のモチベーションを高め、成長を促すことで、組織全体のパフォーマンス向上に繋げましょう。

4. おすすめ書籍「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論(日本経済新聞出版社)」

舞田竜宣氏と杉山尚子氏の『行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論』は、部下の育成において役立つ貴重な書籍です。本書では、行動分析学の視点から、効果的なマネジメント手法を紹介しています。

褒めることを通じて部下の行動を強化し成長を促す方法についても解説されており、具体的な行動を褒めることの重要性が強調されています。また、部下の行動を見極めるためのコミュニケーションやフィードバックの手法も詳しく説明されています。

この書籍は、上司や管理者だけでなく、リーダーシップや人材育成に関心のある方にもおすすめです。行動分析学の原則を理解し、具体的な行動を褒めることで、部下の成長を促進し、組織の成果を向上させる手助けとなるでしょう。

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